いぬやしきを読みました

タイトルだけ見るとほのぼのどうぶつ漫画、のような気がしますが、実際は全然違いました。
犬夜叉
いぬやしき

実写映画化され、予告を見たら気になったので原作を読んでみることにしました。ガンツを書いた作者の漫画だそうです。ガンツに関してはグロテスクな描写も多く前半で投げ出してしまいましたが、こちらは年配の方が頑張る漫画、ということで最後まで読みました、とても面白かったです。

こちらの作品は、少年漫画雑誌には珍しく中年男性が主人公です。
さえない中年サラリーマンと男子高校生が、夜中に宇宙人による事故にあい、宇宙人が証拠隠滅のために体を作り変え、超人になってしまったサラリーマンと男子高校生の作品となっています。

本来の少年漫画であれば男子高校生のほうが主役になるかと思いきや、こちらの作品の面白いところは中年サラリーマンにスポットを当てたと言う点でしょうか。
朝起きたらおかしな人間になっていた、機械的で、何をしても凄い、喧嘩も勝てる、超人間になってしまったサラリーマンが世の中のために戦う作品です。
超人間になって人を苛めるヤンキーを倒すだけではなく、現代の医療では治らないような病気まで治せるような力を手に入れます。そのため、夜な夜な病院を歩いて人々を治しまた去っていく、誰にも知られずに良い行いをしていくのが主人公のサラリーマンです。

一方、同じく宇宙人によって超人となった高校生は、自分が生きていることを実感するために無差別殺人を繰り返します。こちらは民家に不法侵入し一家惨殺を繰り返す、という悲しい力の使い方をしています。
けれども、本来ならこちらの男子高校生のほうがダークヒーロー的な立ち位置になってもおかしくないんですよね。

そしてサラリーマンと高校生が出会い超人的なバトルを繰り広げる、というのがいぬやしきです。ちなみにいぬやしきというタイトルは主人公のサラリーマンが犬屋敷という名前だからで、それ以上でもそれ以下でもありません。

この作品で面白いのはやっぱり中年サラリーマンが世の中のために頑張ると言うことです。妻と子供2人はいるものの冴えないサラリーマンで家庭には居場所がなかった、けれども心が優しかったサラリーマンが頑張るんです。
人の体が機械に変わる、変形していって武器を出したりする、というのは結構衝撃的な映像ではありますが、そこまで気持ち悪さも感じません。

ラストもすっきり爽快、とは言いませんが、まあまとまりのある終わり方だったと思います。